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むし歯
むし歯について
むし歯は昔に比べたら、今は随分減りました。
三歳児健診や保育園の健診でもそれは明らかです。
しかし、まずこのむし歯の問題から話していきましょう。
むし歯になったら自然に治ることはありません。ここが風邪などと大きく違うところです。
CO(シーオー)
あとでお話をするC1ほどではないが、むし歯である可能性が考えられる歯。
「要観察歯」ともいいます。溝の部分が黒くなっていたり、平らな部分が白く変色していたりします。ただその部分が軟化していないものを指します。
健診のときは健全歯として扱いますが、C1(初期う触)との区別が難しいうえ、C1となっていく恐れがありますから、定期的なチェックが必要です。
シーラント(予防的にプラスチックで溝を埋める方法)、フッ素塗布がおすすめです。
お口の清掃状態が悪く、定期的なチェックができそうにない場合は、C1と同様に治療をする場合もあります。
C1
C0でお話した黒い着色や白く変化した部分の一部が軟化してきて、エナメル質の一部が欠けてきている場合です。この段階では痛みがないので自分で発見することは困難です。舌の先で触ると少しザラザラする場合です。
この段階で治療をするのが一番簡単です。
そのためには、定期的に歯科医院でチェックをする必要があります。
C2
エナメル質内にとどまっていたむし歯が、象牙質にまで進行しています。
冷たいものがしみるなど、自覚症状が出てきます。さらに進むと、熱いものもしみだします。
C3
むし歯が歯髄(神経と血管)にまで及ぶと、歯髄の中に炎症が起こり、歯髄の圧が高まって神経が圧迫されるようになります。
この結果、ズキズキ痛むこととなります。
C4
歯の頭の部分がなくなり、歯根(歯の根っこの部分)だけになっています。
多くの場合、歯髄(神経と血管)は死んでいますので痛みはありません。
ただ放置しておくと歯髄(神経と血管)が腐って歯の根の先に膿(うみ)のふくろができて腫れてきます。
ここまでくると治療も難しくなります。
歯を抜かなければならない場合もあります。
むし歯の治療
ズキズキ痛むようになってから、治療を始める場合、C3にまでむし歯が進んでいる場合が多いので、歯髄(神経と血管)をとる治療が必要になります。当然、治療回数も増えてきます。
C4では腐った歯髄(神経と血管)をとる治療が必要になり、C3の場合よりもっと回数がかかります。場合により抜歯が必要になります。
できるだけ多くの歯を残すためには、早期治療が必要なことがこれからもわかります。
「神経をとる治療」について
むし歯が歯髄(神経と血管)に進行して、ズキズキ痛む場合や、歯髄が死んでしまっている場合は、歯髄をとらなければなりません。
しかし、まだ歯を抜くことはありません。
歯根管の中の死んだ歯髄(神経と血管)や汚れた象牙質を取り除く治療、これを根管治療といいますが、これをきちんとやるとその歯を残すことができます。
ところで、実際の歯根管は、下の図のように大変複雑に枝分かれしていて、上の絵のようなシンプルな管ではありません。だから完全に掃除をするのは困難です。あとは患者本人の自然治癒能力しだいなのです。